超高齢社会

2019.1.30

人口の3人に1人が高齢者になる時代。高齢者の幸せと、社会の幸せをつなぐカギとは?

平日の住宅街。犬の散歩を楽しむ初老の夫婦。杖をお供に買い物に出かける女性、何気ない町の光景にも高齢化の波を感じる。事実、日本の高齢化率は先進国でトップを走る。世界中がまだ経験したことのない超高齢社会を幸せな社会にしていくために、今、私たちには何ができるのだろうか。


内閣府が昨年発表した「高齢社会白書」では、2040年代には高齢者が約4000万人になるという試算が示された。2042年には高齢者人口は減少傾向へと転じるが、出生率が上がらなければ、高齢者数が出生数を上回るため、高齢化率の下げ止まりの見込みは薄い。

高齢化の推移と将来推計
内閣府の発表によると、2040年には人口の約35%が高齢者になると予測されている。
高齢化の推移と将来推計
内閣府の発表によると、2040年には人口の約35%が高齢者になると予測されている。

そんな中、課題として頻繁に取り上げられているのが、経済活動の担い手である労働力人口の不足だ。人口急減・超高齢化という現状の流れが変わらなければ、2014年時点で6,587万人いた労働力人口が、2030年には5,683万人まで減り、さらに2060年には3,795万人※1へと加速度的に減少することが予測されている。急激に労働力人口が減少すれば、人手不足による企業の生産性の低下は避けられない。さらに、労働力人口の急速な減少が国内市場の縮小をもたらすと、日本の投資先としての魅力が低下し、国の成長力も下がっていく。加えて、労働力不足を補うための長時間労働が更に深刻化し、ワーク・ライフ・バランスが悪化することで、少子化が更に進行するというマイナスのスパイラルに陥る可能性も指摘されている。

縮小スパイラルのイメージ図 縮小スパイラルのイメージ図

労働力人口の低下という面を考えた時に、介護問題も無視できない。総務省が出している「就業構造基本調査結果」によると、2017年に介護・看護を理由に離職した人の数は9万9100人に上る。2040年には、高齢者の約4人に1人※2が要介護となるという試算もある中、「働く」と「介護」を両立できる仕組みづくりは、国だけでなく各企業も取り組んでいかなくてはならない課題だ。

社会から個人の問題へと目を移してみると、経済不安という問題が浮かび上がってくる。生命保険文化センターが約4000人を対象に行った生活保障に関する調査の中で、将来に想定しているライフイベントと経済的準備の状況について聞いたものがある。「車などの耐久消費財の購入」や、「結婚、再婚」、「子どもの教育」、「考えていることはとくにない」など11の選択肢を提示したところ、最も回答数を集めたのが「老後生活の充実」(36.8%)。老後の生活に対する不安の内容についての調査では、「公的年金だけでは不十分」との回答が80.9%と不安要因の1位となった。しかし、老後保障としての個人年金保険の加入率を見てみると、個人年金に限らず、年金共済を含めて見ても加入率はわずか2割。老後に対しての関心は高いがアクションは起していないという感覚と実体のズレが見える結果が出ている。 一方、最も不安な生活上の不安項目を見てみると、「自分が病気や事故にあうこと」への不安がトップとなった。医療保障に対する私的な準備状況では共済含む疾病入院給付金が支払われる生命保険の加入率は7割を超え、こちらはリスクに対する備えに対し、人びとが具体的な行動を起こしていることが分かった。

将来重視していること
将来において重視するライフイベントを尋ねたところ、「老後生活の充実」という回答が最も多いという結果になった。一方で、「老後生活の充実」に向けた「準備ができている」と応えた人は、半数以下の41.0%に留まる。
将来重視していること
将来において重視するライフイベントを尋ねたところ、「老後生活の充実」という回答が最も多いという結果になった。一方で、「老後生活の充実」に向けた「準備ができている」と応えた人は、半数以下の41.0%に留まる。

高齢化が進めば健康リスクは当然増える。高齢者の場合、一度入院してしまうとそこから寝たきりへと介護度が進む可能性もあるだろう。そうなれば、入院介護費は膨らむばかりだ。企業経営においてもリスクマネジメントについてはいくつかの手を考えておくことが常識だが、長寿が進む日本の場合、人間の人生についても同じことが言えるのではないだろうか。医療保障に老後の備えはもちろんだが、もう一つ、個人が今日からでもはじめられる準備がある。それが「健康」だ。

日本人の「平均寿命」と「健康寿命」の差
出典:厚生労働省(2018年)「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会」
日本人の「平均寿命」と「健康寿命」の差
出典:厚生労働省(2018年)「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会」

「平均寿命」は年々伸びる日本だが、健康上の問題で日常生活が制限されず生活ができることを指す「健康寿命」と比べると、その差は大きく、男性で約9歳、女性では約12歳の開きがある。高齢者個人としての経済状況の改善はもちろん、労働力人口の不足という側面から見ても、「平均寿命」と「健康寿命」の差を縮め、高齢者が、いきいきと活動できる状況をつくっていく必要があることは明確だ。では、そのためにできることは何だろうか。MS&ADインシュアランスグループは、日本に暮らす全ての人々が活力あふれる未来を過ごせるよう、健康づくりのための情報の収集と発信を行なっている。全国の自治体の取り組みの紹介や、健康寿命延伸産業に関する情報の提供、高齢社会に対応した保険商品の開発など、人びとを支えるための取り組みを様々な角度から進めている。

  • ※1 内閣府「選択する未来 –人口推計から見えてくる未来像-」(2015年)より
  • ※2 内閣府「平成30年版高齢社会白書」で予測されている2040年の高齢者数3,920万人と、経済産業省「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会 報告書」(平成30年)で予測されている2040年の要介護認定者数988万人の比率から算出

参考

平成30年版高齢社会白書 内閣府

生命保険文化センター調査

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